あのおばさんは

   あのおばさんは
   左手に大きな袋を持ち
   右手には又 袋を肩に背負い
   その袋からは青いネギが見えた
   小柄なおばさんでネギが入っている袋は
   あいらしい色の花柄の袋で
   もうなりふりかまわず ではないが歩いて   
   いる
   その姿を道路の反対側から視野に入れて
   ああもう肩の力を抜いてしどけなく
   だらだらと自分をいたわって
   袋だけはスキな袋を持った
   あのおばさんのように
   私も一つは愛らしいものを身にまとい
   もう 自由界に
   やさしい言葉だけを使い
   生きていたい
   生きていたい

   クツ下を買ったさ
   100円で
   白に小さな黄色の水玉さ
   うれしいさ
   新しいクツ下さ
   とってもうれしいさ
   新しいんだもん
   夏バージョンで
   快適だもん

   ちっちゃいけれど
   イイなーと思う
   うれしい事を一つ一つ
   心に積み重ねて行けばイイ
   そうすれば私の心は
   いつかちっちゃなイイ事で
   埋め尽くされて
   そこで
   遠い日の子どもの頃を思い出した
   あの少女は原石と対峙した
   何も知らなかった私を
   あれからいろんな事を見・経験し
   しゃべり 心を使い
   生きのびて来た
   まだまだ道は続くのだから
   ちっちゃな うれしい事を

   たとえば
   今朝 散歩に行くので
   母子草を見つけようとか
   母子草がたくさんある所を知っているから
   母子草を摘んで
   そして、それをどうするの?
   ヒミツ、
   そのあとは





夢見る缶バッチ(FD2015002)
55㎜



「四つ葉のクローバー」
240㎜ × 270㎜
水彩
2006 (Exhibition " Rufus.Lin Art Museum / BC.CANADA)

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